防水工事

ベランダやバルコニー、屋上などからの漏水を防ぐための工事です

水分は建物の大敵です。建物内部に浸入してしまうと、木造では大事な柱や梁を腐食させていきます。鉄骨でも骨組みにサビを生じさせ、強度をどんどん弱くしていきます。そして、建物内部に浸入した雨水は壁や天井を変色・劣化させ、美観を損ねます。さらに、カビも発生原因ともなるので、ぜんそくやアレルギーといった健康被害も引き起こしかねません。
適切なメンテナンスや定期点検で予防することが大事なのです。もし、雨漏りや漏水がはじまってしまったら、早急な対策が必要となります。

建材の発達、住宅メーカーの努力によって近年では様々なデザインのお住まいが誕生しました。2階の屋根の上に屋上が設けられたお住まい、開放感と採光を考えた広いベランダやバルコニー、環境に配慮し屋根に太陽光発電を設置したお住まい、どれも快適で住み心地も良く、とても現代的です。実は老朽化が進んだお住まいだけではなく、このような現代的なお住まいほど、防水工事が必要なのです。

現代的な建物こそ防水工事が必要です​

標準的な三角屋根の場合

戸建て住宅の場合、現在でも三角の屋根というお住まいが大半です。建築用語に「雨仕舞い」という言葉があります。これは雨と雨水が家屋内部へ入らないように処理することです。三角屋根刃シンプルな形状の上、勾配もあるので雨水をスムースに排水できます。

平らな屋根(陸屋根)の場合

屋上が設けられるような屋根(陸屋根)は平らに見えますが、排水を考えて僅かに勾配がつけられています。それでも三角屋根などに較べれば、水が溜まりやすく、排水性能は低いと言わざるえません。当然、漏水や雨漏りなどのリスクは高くなります。

ベランダやバルコニーの場合

ベランダやバルコニーの床にも排水を考えて僅かに勾配がつけられていますが、ほぼ平らです。おまけに四方を壁で囲まれているので極めて水が溜まりやすい構造と言えるでしょう。面積が広ければ広いほど、漏水や雨漏りなどのリスクが高まります。

どんなに頑健な防水処理でも年月とともに劣化しています

新築当初は頑健であった防水処理も年月の経過とともにゆっくりと傷んでいきます。 屋根や外壁と同じように、防水も定期的なメンテナンスが必要です。 ベランダやバルコニーは歩行する機会も多いと思いますので、常に気にかけてあげましょう。

防水方法とその工事の様々な種類

■シート防水・・・ ゴム、塩化ビニールなど、防水性のあるシートを重ねていく
■ウレタン防水・・・ 液状のウレタン樹脂の塗布を重ねて、防水膜を作る
■FRP防水・・・ ガラス繊維にポリエステル樹脂を含浸させた複合材料で防水層をつくる
■アスファルト防水・・・ アスファルトをコーティングしたり、含ませたシートを重ねていく

雨漏りと漏水

屋根から雨水が浸入している場合でも、「その部分だけなのか」、「屋根の他の部分からの浸入はないのか」などの判断は非常に難しいのです。降水量やその時の風向きにも左右されるからです。
雨水の浸入箇所と思われる部分を見つけても、無闇に塞いでしまうのはお勧めできません。水や水蒸気の流れをブロックしてしまうことで、余計に悪化させる場合があります。

こんなときは危険信号!

排水不良

そもそも水を貯めるようには作られてはいません。水が溜まってしまうと様々な部分に悪影響を及ぼします。放置し続けると、建物内に漏れ出し、雨漏りや各部の腐食・劣化につながりかねません。

表面の浮きや波打ち

シートを用いた防水で見られる病状です。一見、浮きや波打ちがなくても、踏むと変形する場合はトップコートやその下の防水シートが弱ってきています。

ひび割れ

ほぼ全ての防水方法で見られる病状です。雨水の浸入の他、紫外線なども直接あたることになるので、防水層の劣化を加速させます。

植物の繁殖

アスファルトやコンクリートを割って芽を出す草花を見れば分かるように、植物の根や茎は非常に強いものです。アスファルトやコンクリートを破壊し、成長します。表面や外壁、防水層だけでなく、躯体そのものを損壊させてしまう可能性もあります。

表面の荒れや色褪せ

防水層を覆っているトップコートや表面の機能が低下してきた証拠です。完全に保護機能を失ってしまうと、防水層が直接、風雨や紫外線に晒されるため、劣化が早まります。

表面の傷

歩行や風雨による磨耗、強風による飛来物などが原因で表面が傷ついてしまうことがあります。また、重い植木鉢を引きずったり、落下させたりした場合にも同様のことが起こりえます。表面だけでなく、その下の防水層にも傷がついている可能性もあります。傷の深さによって、対処法が異なります。